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竹内 正行; 粟飯原 はるか; 中原 将海; 田中 耕太郎*
Procedia Chemistry, 21, p.182 - 189, 2016/12
被引用回数:2 パーセンタイル:81(Chemistry, Inorganic & Nuclear)再処理溶液での沈殿挙動を評価するため、電解質熱力学モデルによるシミュレーション技術の開発を実施した。シミュレーション結果については、非放射性の10元素共存の模擬高レベル放射性廃液や3元素共存系のPu-Mo-Zr溶液での実験結果と比較し、その信頼性を検証した。その結果、シミュレーションと実験結果は沈殿物の大部分がモリブデン酸ジルコニウム二水和物であることを示しており、シミュレーション結果は実験系における沈殿物の化学形態や量のデータを良く再現していた。以上より、本研究では熱力学シミュレーションが再処理溶液からの沈殿状況を評価する有効なツールであることを示した。
峯尾 英章; 木原 武弘; 中野 雄次*; 木村 茂; 高橋 昭*; 八木 知則; 内山 軍蔵; 宝徳 忍; 渡辺 眞樹男; 亀井 一成; et al.
JAERI-Conf 99-004, p.498 - 507, 1999/03
燃焼度8000MWd/tの使用済燃料約1.5kgをNUCEF セルで溶解した。本試験では溶解の他、銀シリカゲル(AgS)吸着剤によるヨウ素処理、清澄、抽出試験への給液調整と発生するC-14捕集を行った。Uは開始後100分程度で溶解がほぼ終了し、ほかの接種もUとほぼ同様な溶解挙動を示した。二段階操作で追い出された溶解液中ヨウ素のAgS吸着材での捕集量は約210kBqで、ORIGEN計算によるI-129推定量の約63%に相当した。C-14捕集量は約2MBqで、燃料にN-14が少なくとも数ppm含まれていたことが示唆された。不溶性残渣分析では、Ru,Mo,Pd及びZrが主成分で、特にMoとZrのモル比とX線回折結果から溶解中でのモリブデン酸ジルコニウムの沈殿が示唆された。使用済燃料中Uの約94%が溶解工程において回収された。
粟飯原 はるか; 北脇 慎一; 竹内 正行; Syed Masud, R.*; 三村 均*
no journal, ,
再処理工程内で発生する不溶解性残渣(以下、スラッジ)は、工程の安定運転のためにその性状を把握する必要がある。また高レベル廃液系の沈殿生成メカニズムは処理処分等を検討する上で重要である。本研究では、スラッジ生成におけるテルルの挙動に着目し、加熱条件下での沈殿挙動を調べた。高Te濃度条件ではMoとの反応による沈殿物は確認できなかったが、Zrと化合物を形成して沈殿した。燃料溶解液相当濃度の低いTe濃度の3元素系においては、Mo:Zr:Te=2:1:0.2でTeと相関して沈殿していることや、XRD分析結果から3元素系の沈殿物にZr-Te沈殿物のピークが見られないことから、溶解液相当濃度で沈殿するTeは高Te濃度条件のZr-Te化合物とは異なり、溶液中のTe濃度により沈殿析出メカニズムが異なる可能性がある。
藤澤 政晴*; 武部 博倫*; 小林 秀和; 天本 一平
no journal, ,
使用済核燃料の再処理工程で生じる高レベル放射性廃液を常圧下で蒸発濃縮させるとMoとZrとの化学反応により、結晶性のモリブデン酸ジルコニウムを主成分とする沈殿物が生成することが知られている。しかし、従来の高レベル放射性廃液の固化媒体であるホウケイ酸塩ガラスは、Moを取り込むことで水に易溶性な相が形成されやすいという問題がある。この現象を克服するために、新しい放射性廃棄物固化ガラスとして、耐水性に優れ金属酸化物を多く含有可能である鉄リン酸塩ガラスが期待されている。本研究では、沈殿物主成分の一つであるMoに着目し、MoOを添加した鉄リン酸塩ガラスの耐水性とガラス構造の関係について調査し、鉄リン酸塩ガラスの有効性を確認している。
阿部 りさこ*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行
no journal, ,
再処理技術開発において、不溶解性残渣の除去が課題となっている。それは、不溶解性残渣の主成分であるモリブデン酸ジルコニウム2水和物(ZMH)が、燃料溶解工程以降の再処理機器に付着または沈積し、安定なプラント運転を阻害するためである。これまでの共同研究で、ZMHの析出が溶解液の液性(硝酸濃度, 液温, MoとZrの濃度比等)や付着材料に依存すること、そして、ZMHの付着を抑制するには3酸化モリブデン(MoO)結晶の添加が有効であることを明らかにしている。本研究では、実系プロセスへの導入手法および適用性の検討を目的に、MoO結晶生成直後の懸濁液を添加し、ZMHの付着抑制効果を評価した。MoOの結晶懸濁液の添加量に応じてZMHの付着抑制効果を示すデータが得られ、ZMHの核化反応がMoOの結晶表面で起きていることを再確認した。今後は模擬廃液を用いて、MoO(結晶および混濁液)の添加に伴うZMHの付着抑制効果を評価する。
下端 健吾*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行
no journal, ,
溶解槽で使用済燃料を溶かした硝酸溶液は核分裂生成物等を含んでおり、溶解性元素と難溶解性元素が混在することになる。難溶解性であるMoやZrは、高温酸性溶液中でモリブデン酸ジルコニウム・2水和物(ZMH)を形成し、配管やパイプに強く付着するため、再処理機器周辺の熱伝導率の低下や閉塞等を引き起こす。付着したZMHの物理的・化学的な洗浄では2次廃棄物の発生が懸念されることから、添加物による抑制策を考える必要がある。我々は、早稲田大学との共同研究で、ZMHと同伴した析出が示唆されているTe添加の影響を評価した。Zr, Mo, Teの混合溶液で得られた実験データをもとに考察した内容を以下に示す。(1)実液の相対濃度比に合わせたTe添加量では、溶液中の[Mo]と[Zr]に与える影響は小さい。得られた析出物のXRDスペクトルはベースラインが上昇しており、これはZr-Te錯体を形成したためと考えられる。(平成29年度の成果から、TeはMoよりもZrと反応しやすいことが分かっている。)(2)実液の相対濃度比よりも過剰量のTe添加によって、ZMHがSUS板に付着しなくなった。これは、Zr-Te錯体が優先的に形成されて、ZMHの析出に必要なZrが消費されたためと考えられる。よって、過剰量のTeを添加することで、ZMHの析出および壁面付着を抑制できる可能性を見出した。今後は、溶液中のZr-Te錯体の挙動評価や模擬廃液を用いたZMH析出の抑制評価を行う。
諏江 霞純*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行
no journal, ,
再処理プロセスにおける課題の1つとして、不溶解性残渣の付着による定期的なプラントの内部洗浄やそれによって発生する廃液の処理が挙げられる。本研究では、不溶解性残渣の代表であるZMHに注目し、その付着メカニズムを解明するため、温度条件による析出物の挙動調査を行った。50Cから100Cまでの液温で得られた析出物はそれぞれ構造が異なり、攪拌時間に応じた構造が変化した。これは、析出物の構造制御によって、ZMHの付着抑制が可能であることを示唆している。
諏江 霞純*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行
no journal, ,
使用済燃料再処理のうち、溶解工程で生成する難溶性物質は伝熱効率の低下や配管の閉塞を引き起こす要因となり、工場の安定・安全稼働における懸念材料の1つとして考えられている。主要な難溶性物質としてモリブデン酸ジルコニウム(ZMH)が報告されており、本研究では、ZMHの結晶添加による金属容器内壁への付着抑止効果を検証した。反応温度をパラメータとした試験において、ZMHの結晶添加に係わらず、標準的なZMHが得られた。その一方で、ZMHの結晶添加の有無によって、壁面付着したZMHの結晶形状や堆積挙動に違いが見られ、結晶添加することで、小粒径のまま散在する傾向が認められた。このことから、ZMH結晶を事前に添加することで、難溶性物質の生成を抑制できることを示した。
加茂井 健介*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行
no journal, ,
使用済燃料再処理において、多種多様なスラッジを生成する不溶解成分が一つの課題となっている。典型的な例としてZMHが挙げられる。温度上昇と共に低下する溶解度と、それと反比例して高くなる付着性から、再処理機器の壁面付着、延いては配管つまりや熱伝導性の劣化を引き起こす。したがって、ZMHの壁面付着を抑制する実用的な手法が求められる。本研究では、表面析出や堆積に係る主要因を特定するため、ZMHの結晶状態の変化を評価した。反応の初期段階は楕円結晶だったが、反応が進むと立方体の結晶に変化した。ZMH結晶は、反応初期ではZr:Moが1:1で会合し、壁面付着後、アモルファスの形で層を形成・堆積が進むと考えられる。
諏江 霞純*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行
no journal, ,
使用済燃料再処理のうち、せん断した燃料片を硝酸の高温溶解槽に投入する溶解工程以降、モリブデン酸ジルコニウム二水和物(ZMH)を主成分とする不溶解性物質の析出が問題となっている。難溶解性で、高温ほど析出性を示すZMHは、電熱機器表面に付着・堆積し、伝熱効率の低下や配管の閉塞等を引き起こすため、析出制御や付着抑制方法が求められる。本研究では、ZMH添加の有無による壁面付着抑制効果をZr, Mo, Teの反応溶液で検証した。添加系では、無添加系よりも壁面付着量が低下し、沈殿量が増加した。反応溶液中の元素濃度は、無添加系に比べ、添加系の変化が小さく、結晶核化が抑制されると予想された。
諏江 霞純*; 平沢 泉*; 宮崎 康典; 竹内 正行
no journal, ,
使用済燃料の再処理における課題の1つとして、燃料溶解工程や後段で発生する不溶解性残渣の処理が挙げられる。不溶解性残渣の主成分はモリブデン酸ジルコニウム二水和物(ZMH)であり、伝熱機器表面に付着・堆積することで、伝熱効率の低下や配管の閉塞等を引き起こす。プラント処理能力の維持や効率向上等の観点から、ZMHの析出に係る溶解液の液性や温度,酸濃度等を把握するとともに、析出後の適切な洗浄・除去が求められる。ZMH種晶の増加によって壁面付着量が低減したが、この理由として、反応開始直後に起きるイオンと種晶との接触・衝突を主とする水溶液内の2次核化促進が考えられた。したがって、反応開始直後に生成するZMH結晶の壁面付着挙動を制御することで、配管等への堆積防止が可能になる見通しが得られた。
永井 崇之; 勝岡 菜々子; 岡本 芳浩; 秋山 大輔*; 桐島 陽*
no journal, ,
モリブデン酸ジルコニウム、硝酸ナトリウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウムをガラス原料に添加して加熱し、加熱後試料をXAFS分析してイエローフェーズの主成分であるモリブデン酸塩の生成機構を検討した。
岡本 芳浩; 永井 崇之; 勝岡 菜々子; 秋山 大輔*; 桐島 陽*
no journal, ,
モリブデン酸ジルコニウムを出発物質とした様々な条件下の加熱処理試料のXAFS分析を行い、モリブデン酸カルシウムの生成状況を比較した。モリブデン酸ジルコニウムは800Cでの加熱処理により分解し、酸化ジルコニウムを生成するが、ジルコニウムは直ちにガラスに溶け込むことが分かった。一方、分解後もモリブデンはモリブデン酸イオンの形を維持し続け、最終的にはモリブデン酸カルシムになった。ただし、ナトリウムが原料ガラスにある場合と、原料ガラスに含まれず硝酸ナトリウムとして供給される場合では、後者においてより低温でモリブデン酸カルシウムが生成されることが分かった。